For your safety!

For your safety!

海は刻々と変化するからこそ、波乗りは面白く、危険な面もあります。楽しく安全に海を楽しむための基本を、まとめてみました。

SURFER’S RULE&MANNERサーファーのルールとマナー

目指せグットサーファー!!

for abetter surfing future..


もうすでにサーファーの人、これからサーフィンをスタートする人、そんなあなたに最低これだけのルールとマナーは知ってほしいという願いから日本サーフィン連盟(NSA)が「SURFER’S RULE&MANNER」を作りました。
「サーフィンのことなら何でも知っているよ」とあなたは思うかもしらませんが、とにかく一度この記事を読んでみてください。
もしかしたらサーフィンの上達するヒントが見つかるかもしれませんよ。


ウォーターマンになるとサーフィンがうまくなる?

ルールとマナーの前に、どうしたらサーフィンがうまくなるかという話を少ししましょう。
誰でもサーフィンがうまくなりたいものです。ではどうしたらいいのでしょうか?
それはウォーターマンのように海を知ることがキーポイントだとわたしたちは考えます。

海を知ることとは?

ハワイにはウォーターマンと呼ばれるひとがいます。
彼らはサーフィンのエキスパートなだけではなく、色々なウォータースポーツを通じた経験で海を理解しています。
だからウォーターマンたちはビックウェーブでも安全にサーフィンをすることができます。

それは交通ルールのようなもの

海を知るということは、交通ルールを知るようなものといえます。
もし車で高速道路を逆に走ったらどうなるでしょうか?
信号の意味を知らなかったらどうなるでしょうか?
海でもルールさえ知ることができれば、安全にサーフィンができるのです。
しかし、海には標識のようなものがありません。
だからサーファーは自分で海の信号が赤なのか、青なのかを判断しなければならないのです。
つまり、もしあなたがサーフィンがうまくなりたいと思っているなら、ウォーターマンのように海を知ることが大切なのです。
この記事には、そんな海のサーフィンのことに関する初歩的なアドバイスがいろいろ載っています。
ぜひ、このルールとマナーを学んでウォーターマンのような海のスペシャリストを目指し、安全で楽しいサーフィンをしていただくことが、わたしたちの願いです。


RULE&MANNER

サーファーのルールとマナー10カ条

1)サーファーは自分自身に責任を
サーフィンの事故が増加しています。
そのいくつかは裁判になるほど深刻な事故となっています。
しかしほとんどの事故は未然に防げたものや、また相手がいる場合は、どちらか一方に100%の過失があるとと言いがたいものが多いようです。
自分自身の行動に責任をもって、だれにも迷惑をかけないハッピーサーフィンを心がけましょう。

2)ピーク優先
サーフィンには「ピーク優先」というゴールデンルールがあります。
これは世界中どこのサーフポイントでも共通のルールで、岸に向かって来たうねりが最初に崩れ始めるところ(ピーク)に、最も近いサーファーが波にのる優先権があるということです。

3)ドロップインはルール違反
サーファーがすでにライディングしている波に同じ方向へテイクオフしていることを、悪意があるないに関わらずドロップインと呼びます。
これはルール違反だけでなく危険な行為です。
もしドロップインしてしまったときはすぐに相手に謝るのがマナーです。
(サーファーはレギュラー、グーフィーの波の崩れ方向に合わせてライディングしていきます。あるサーファーがすでにライディングしている場合、そのサーファーの進路上からテイクオフしてはいけません)
※ライディング…波に乗っている状態のこと
※レギュラーの波…岸から見て左方向に崩れる波
※グーフィーの波…岸から見て右方向に崩れる波

4)サーファーの真後ろでパドルしない
パドルして沖に向かうことをゲッティングアウト(以下ゲット)といいますが、そのときは同じようにゲットしているサーファーの真後ろについてはいけません。
そのサーファーが波に押し戻されてあなたにぶつかり、ケガをする可能性が高いからです。
※パドル…手で漕ぐこと
※ゲッティングアウト…沖に向かうこと

5)ライディングエリアでは要注意
ゲットしているときはライディングしているサーファーとニアミス(接近)することがよくあります。
ライディングエリアとはサーフポイントによってさまざまですが、もしライディングエリアをさけてゲットできるならそのルートで沖に向かいましょう。
もしそれが無理ならば、よく注意してすみやかにそのエリアを通過し、サーファーの邪魔をしないように沖に出ましょう。

6)テイクオフ優先
ゲットしている時にテイクオフするサーファーとニアミスしそうになった場合そのサーファーの進行方向とは逆方向にパドルしましょう。
そのためにはあなたが波にまかれることになっても、これは守らなければならないマナーです。

7)声を出す
ゲット中に、ライディングしているサーファーがあなたに気づかず接近してきたら『HEY!!』など、声を出して注意をうながしましょう。
太陽の光などであなたが見えにくいときがあります。

8)いつも予測していよう
小さな波でサーフィンをしようとインサイド(岸側)で波を待つと、他のサーファーのライディングを妨害してしますことがあります。
もし波がブレイクしたらサーファーたちがどの方向に進むか、予測をたてて邪魔にならないように心がけましょう。
またサーファーが乗ってきたら、そのサーファーよりもアウトサイド(沖側)に向かい、そのサーファーの集中をさまたげないようにしましょう。

9)プルアウトはお早めに
もしあなたがもう充分にサーフィンができる実力があったら次のお願いがあります。
ビギナーはあなたの邪魔をするつもりなんてないのです。
ニアミスしそうなときは早めにプルアウトして、やさしく指導してあげてください。
※プルアウト…ライディングを自分の意思でコントロールしながら終了するテクニック

10)彼女・彼氏がいても両手を振るな
世界のライフセービングには共通のサインがあります。
その1つは両手を大きく振ること。
これは助けを求めるサインです。
オーストラリアでは日本人サーファーが、彼女がビデオを撮っているので両手を振ったらライフセーバーがやってきたという笑えないお話があります。


海を愛するすべての方へ

ビーチクリーンを忘れずに
海を大切にする気持ちは、サーファーとして最低限のマナーです。
海を汚さないことはもちろんですが、砂浜や車のまわりなど目に付いたゴミは、積極的に持ち帰るように心掛けましょう。


初心者の方へ

●まだサーフィンを始めたばかりの人は、一人でサーフィンを絶対にしないでください。
ビギナー同士で、サーフィンをするのは危険です。
かならず経験者(できればNSAサーファー検定3級以上)の人と海に入るのが良いでしょう。
またNSA公認スクールを受講するのもよいでしょう。
●海に入りたくないと感じたときは、無理せずしばらく岸で様子をみてください。
無理をすると事故が起きやすいものです。
●混雑している海は危険です。
波に乗るチャンスも少ないので時間をずらしたり、別のサーフポイントで空いているところへ移動しましょう。
●カレントは波が大きいほど強く危険になります。
もしカレントに流されて危険を感じたときは、その流れに逆らわず横切るようにしましょう。
また、スープはあなたを岸に運んでくれます。
波のないところは、かえって流されやすく危険だと思ってください。
●リーシュコードは必ず付けましょう。
ショートボード・ロングボード・ボディボードに限らず、リーシュコードは必ず付けましょう。
●多くの海水浴場では、時期・時間帯によってサーフィン禁止です。

※NSAサーフィン検定…サーフィンの技量を検定する試験
※NSA公認スクール…NSA公認指導員が教えるスクール
※カレント(離岸流)…波が運んだ海水を再び沖へ出すために生ずる潮の流れ
※スープ…波が崩れた後の白い泡の部分
※リーシュコード…サーファーの軸足とボード、ボディボードではボードと腕、または脚をつなく流れ止め。


Short boarderへ

●ショートボードはサーフボードの先が尖っているので、十分なボードコントロールが必要です。個々のレベルに合わせて楽しみましょう。
※ショートボード…全体的に幅の狭いよく動く板。

Long boarderへ

●ロングボードはショートボードに比べてパドルが速く、テイクオフが簡単なので波にたくさん乗ることができます。
それだからていって波を独占するのは止めましょう。
ショートボーダーにも波を譲る配慮が必要です。
●ロングボーダーは原則的にショートボーダーたちよりも沖で波を待ってください。
テイクオフにハンディキャップのあるショートボーダーたちと同列で波を待つのは止めましょう。
※ロングボード…9フィート(約274.3cm)以上のノーズワイドな板。

Bodyboarderへ

●ボディボーダーとサーファーとの接触が増えています。
ボディボードは腹ばいになってライディングをしますので、サーフボードがボディボーダーの頭部、顔に接触しやすいのです。
互いの注意が必要です。
ボディボーダーのケガは、重度のケガが多いのでサーファーも注意してください。
ボディボーダーも強引なテイクオフは止めましょう。
●ビギナーのボディボーダーは、混雑したサーフポイントで練習するのは危険です。
海水浴場ではサーフィンは禁止していますが、ボディボードだけは許可しているところが多いので、ビギナーは安心して練習ができます。
また必ずフィンをつけて練習してください。
※ボディボード…ソフトボードで長さ5フィート(152.4cm)以下のもの
※フィン(足ヒレ)…ゲッティングアウトやテイクオフに必ず必要な道具


CHECK!

あなたがサーフィンをする心得として気をつけていることは?
☑️日のアルコールは控えめにし、なるべく早く寝ている。
☑️駐車場や海岸等でゴミを見つけたら拾っている。
☑️車は駐車場に駐車し、車の中で待機する場合、エンジンを切っている。
☑️準備体操をして海に入るようにしている。
☑️波が崩れる場所やカレント(離岸流)をしっかりみている。
☑️どこから入ろう、どこから帰ろうとあらかじめ予測している。
☑️テイクオフの手前のポジションは危険なので待たないように注意している
☑️ライディング中の波には乗らない。
☑️パドリングを始めるときには、周囲を確認し、衝突する危険があればパドルを中止している。
☑️ワイプアウトしたら、体を丸めてすぐに顔を出さない。両手で顔をガードしている。

あなたのサーフィン安全度がわかります。
10個すべての方 グットサーファーです
今後もマナーを守り、仲間とともにサーフィンを楽しんでください。
7〜4個 あと一歩でグットサーファーです。
寝不足や準備運動不足は事故の原因につながります。
3個以下の方
あなたは気がつかないうちにサーフィン中、危険な場面があるかもしれません。
そんなあなたは周りに十分注意して安全で楽しくグットサーファーを目指しましょう!


TECHNIQUE

身につけておきたいサーフィンテクニック!!

海を知ることがサーフィンの上達の基本だとINTRODUCTIONで説明しましたが、もう1つ上達のヒントがあります。
それはパドリングです。
正しいパドリングができれば、テイクオフも速く波にたくさん乗ることができ、上達も早いということです。
正しいパドリングができるかもう一度チェックしてみてください。

STEP.1 パドリングマスターになろう!
正しいパドリングをマスターするヒント
●経験あるサーファーにパドリングのフォームをチェックしてもらおう。
自分ではマスターしていると思っていても正しくないときがあります。
●両足は閉じる。最初は不安定ですから、開いていてもしかたがありませんが、なれてきたら閉じるくせをつけましょう。
●パドリングの理想は深く速くですが、最初はゆっくりでもよいので深くパドルするくせをつけましょう。
また、水中から手を抜く時に、手首で水を押し出すようにスナップを効かせると、パドルが速くなります。
ピッチャーがスナップを効かせてスピードボールを投げるのと同じ原理です。
●パドリングマスターになるには、とにかく海に入ってパドルすることです。
近道はありませんが、最初は誰でも思うようにはいきません。
がんばりましょう。
浮力が十分にあるサーフボードで練習するのも重要な基本です。
●パドリングでサーファーの実力がわかります。
もしあなたが、サーフィンをしているときにカレントによって流されてポジションがキープできないとしてら、それがあなたの実力の限界です。
できるだけすみやかに陸にあがりましょう。

NG悪いパドリング例
✖️体重がサーフボードのテールよりにかかり、ノーズが浮き、水の抵抗が大きく進みにくくなっている。
✖️また、パドルが浅く、水を十分に手で押し出していない。
✖️両足は開いて水の中に入ったままひきずっている。
※テール…サーフボードの後ろの部分。
※ノーズ…サーフボードの前の部分

OK正しいパドリング例
⭕️心がサーフボードのほぼ中心にあり、バランスがとれているのでボードと海面がほぼ平行である。
⭕️両足は閉じてサーフボードの上にあり、海面をひきずっていない。

STEP.2 ワイプアウトもサーフィンのテクニックだ!
ライディングの失敗、これがワイプアウトです。
テイクオフの失敗、ターンの失速などその原因はいろいろあります。
このワイプアウトもじつは事故の大きな原因となっています。
安全にワイプアウトするヒントを少し説明しましょう。

リーシュに頼るな(命綱ではない)
リーシュのおかげでサーフィンが安全に楽しめるようになりました。
しかし泳げない人もサーフィンができるようになり、それが切れたときにパニックになり、事故の原因になっています。
もともとサーフィンには、リーシュは存在しませんでした。
リーシュが無くでもあなたはサーフィンができますか?
リーシュは、切れない保証はありません。
伸びたリーシュが急激に戻り、サーフボードがあたってケガをする事故もあります。
ワイプアウトしても、できるだけサーフボードを離さず、リーシュに頼らないサーフィンを日ごろから心がけましょう。

インサイドは浅いぞ!
海底が浅くなったところで、波はブレイクします。
つまりサーフィンをするところは浅いと思ってください。
インサイドといって岸に近いところは、とくに浅くなっています。
心得ておきましょう。

両腕はボディガード
柔道の受身のように、ワイプアウトのとき両腕で顔や頭をガードし、体を丸めるくせを身につけましょう。

一息いれろ!
これは二つの意味があります。
ひとつはワイプアウトの寸前に深呼吸をするくせを身につけるということと、
波に巻かれたときは、それに逆らわずリラックスする(一息いれる)ことが大切です。
波の中で、もがけばもがくほど空気が消耗して苦しくなります。

リーフブレイクでの危険性について
珊瑚礁のようなリーフブレイクは大変危険です。
波のボトムは浅く、そこでワイプアウトするとリーフで大ケガを負うかもしれません。
※リーフブレイク…海底が岩や珊瑚礁のところ


ACCIDENT

本当に起きたサーフィンの事故

CASE.1 天候の変化によって起きた事故
あなたは雷にねらわれています。(1987/8/5)
生見海岸でサーフィンをしていた人に雷が落ち、その周りのサーフィンも被害を受け、6人が死亡、6人が負傷をしました。
曇の日は雷が起こりやすいので、遠くでゴロゴロという音が聞こえたときは、海からすぐに上がり建物や車の中に入り、しばらく様子を見ましょう。また高い木の近くも雷は落ちやすく危険です。
低気圧によって波は起こる。(2001/9/8)
大洗海岸で台風の接近により、午後から波が大きくなり26名のサーファーがカレントに流されて救助されました。彼らは地元の人々の注意を無視してサーフィンをしたのです。地元の人々の注意だけでなく、自分でも天気図や波情報などで天候や波の大きさを予測し、無理しないことが大切です。

CASE.2 体力(パドリング)不足による事故
テトラポット(2001/7/5)
赤羽根漁港でサーファーがカレントに流されて沖合いのテトラポットに漂着し、ヘリコプターで救助されました。テトラポットや堤防の近くには、沖に向かう強いカレントが起こりやすいのです。経験の少ないサーファーは、その流れに逆らおうとして体力を消耗してしまいます。パドリングの力だけではなく、そのようにカレントが流れているかわかっていれば起こりにくい事故です。

川の流れ(2001/9/9)
相模川河口でサーフィンをしているうちに、カレントに流されてヘリコプターで救助されました。河口には海だけでなく、川の流れもあり複雑で危険です。とくに雨で増水したときに、河口に入るのは例え誰かがサーフィンをしていても絶対にやめましょう。
※現在、相模川河口はサーフィン禁止です。

CASE.3 サーファー同士の事故
●ドルフィンスルー(崩れ様とする波の直前でボードと共に出て波をやり越す方法)をしていたA君のサーフボードが、ライディング中のB君にあたり右目下をケガした。サーフボードは、浮力で海の中から飛び出すことがあります。海の中ではしっかり両手でコントロールすること。
●沖に向かってパドルしているサーファーとライディング中のサーファーA君が接触。パドル中のサーファーのボードがA君にあたり鼓膜(こまく)が破れた。
●A君とB君が同じ波に別の方向から乗り衝突しそうになった。二人はプルアウトしたが、その時にB君のサーフボードがA君の胸に当たり肋骨をおってしまった。

これらの事故は、どれもサーファーの不注意から起きています。
混雑しているときは、とくに注意をして無理なテイクオフなどは絶対にやめましょう。

事故を防ぐためのヒント

サーフィンの前に岸から波をチェックするのは、サーファーの常識です。
でもそれだけでなく、海全体をくわしくチェックすると事故防止に役立ちます。
●天気図や波情報で、これから波がどのように変化するのか予測しておくこと。
●水の流れや、セット(一定の間隔で押し寄せる波のこと)がどのくらいの時間でやってくるかチェック。
●海の中のサーファーがどこから海に入り、どこから陸に戻ってくるかチェック。
●ライディングしているサーファーが、どの方向に向かっていくかチェック。
●もしリーシュが切れてサーフボードが流されたときには、どのように陸に戻ればよいかチェック。

事故が発生した場合の対処

もし事故になったり、見かけたりした時はすみやかに対処しよう

もし自分がカレントに流された時は
●サーフボードを捨てて泳ごうとはしない。
●カレントの流れにできるだけ逆らわずに、進めるルールで近い岸を目指す。
●もし、漁船、航空機を見た場合には両手を頭上で左右に大きく振る。これは万国共通の救助信号です。
●長時間流された場合には、ボードに腹ばいになり風や水で体温を下げないようにする。

流された人を見かけたら
●事故の状況を冷静に確認する。
●最寄りの警察署や付近のボート、漁船等に連絡する。
海難事故は118番(海上保安庁)に連絡しましょう。

ケガ人の救助と対応
もしケガをしたサーファーを発見したときは、つぎのように対応しましょう。
●海の中では早急に海岸に上げましょう。サーフボードを担架がわりにすると簡単に運べます。
●呼吸がとまっている場合は、応急処置をしよう。なるべくはやく医療機関に連絡し、手配しましょう。
●ケガの程度により病院や救急車の手配をしましょう。

あなたが助けられたとき、または迷惑をかけた人にはお礼をするのが常識です。
今後ビーチでのサーファーと、地元住民や漁業関係者との健全な関係を保つのに大切なことです。
参考文献:セーフティー&グッドマナー(財)日本海洋レジャー安全・振興協会

PAGE TOP